文化堂ビルリニューアルプロジェクト

「文化堂ビルの誕生から、現在まで」

文化堂ビルは、1964年に開催された東京オリンピック直前の1960年に、千葉中央駅前に建設されました。高度成長期の、活気に満ち溢れた社会で建設された文化堂ビルは、元々、文房具店の販売所、ショールーム、事務所の用途の建物でした。大正10年に創立された文化堂の支店として、建設されました。周辺の企業や学校、一般の顧客への文具の提供は、この時期の社会情勢として、大いに貢献し、発展に寄与してきました。1958年、千葉中央駅に京成ローザが開業したばかりで、周辺には高い建物もほとんどなく、3階建ての文化堂ビルは目立った存在でした。しかし、現在に至るまでに、外部環境が大きく変化するとともに、文具店の需要も変動してきました。その後、文化堂ビルはテナントビルとして利用されることとなり、周辺の商業施設と調和した存在となっていきました。一方で、その象徴的な佇まいや、存在感は当時から大きく変更がなかったため、そのままの姿で、周囲へ影響を与えてきました。約半世紀以上前に建てられた文化堂ビルは、そのまちの記憶や歴史を、建物として保存することで、多くの人の記憶の中に存在してきました。

「急速な再開発からみたこれから」

近年、千葉駅周辺は再開発や老朽化した建物の建替えが急速に進んでいます。かつて多くの来店客で賑わっていた百貨店や商業施設が次々と解体され、分譲マンションや複合施設へ建替えが進んでいます。長らく千葉の経済発展を支え、成長を共にした各地で大きな変化があります。また、コンパクトシティの推進により、千葉駅周辺の開発は加速していきます。しかしながら、多くの人の記憶にあるこのまちの歴史や文化、風景を継承していくことも重要だと考えます。これからの千葉は、建物の老朽化やまちの構造の変化により、ますます新陳代謝が進む可能性がありますが、建替えるだけではなく、保存・継承も検討し、共存させることで、まちの価値を向上させることも重要です。

「100年の歴史を横断するランドマークへ」

1960年に建設された文化堂ビルは、建築基準法上の旧耐震基準にて計画されています。そのため、現行の基準をもとに、耐震診断と耐震補強を行います。コンクリートの強度も加味し、必要な箇所に耐震補強を行います。既存の建物の持つ、新築では実現が難しい魅力的な空間を阻害しないように、耐震要素を計画していきました。そのためにも、プロジェクトチームを組み、それぞれの専門家と詳細に現地で打合せを行いながら、慎重に進めてきました。象徴的な外観を構成している開口部には耐震要素ができるだけ出てこないように、計画しました。これから先も当時を彷彿させる象徴的な印象を継承する計画です。
また、鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年ですが、今回のプロジェクトでは、築100年を目指し、今までの歴史だけではなく、これから先の未来も持続的に存在できるような計画としています。そのため、設備面も含め、入れ替わるテナントが中長期的も利用しやすい計画としています。

PAGE TOP