













敷地は、千葉県我孫子市の手賀沼が近くに見えるエリアです。自然が豊かな環境で、かつ都内へもアクセスがしやすく場所になります。
クライアントご夫婦は、都内の雑踏から一定の距離感を保ちつつも、公共交通の利便性の高い場所を探して、物件探しがスタートしました。
条件として、新築ではなく、古い建物の良さを活かした住まいを求め、いくつかの戸建住宅を見て歩きました。
その中で、入った瞬間に、チーム全員がしっくりきた住宅があり、その物件に決めることとなりました。
一定の築年数であったため、「戸建」売買ではなく、「土地」として、募集されてました。契約不適合免責である以上、事前の調査が重要であるため、
建築家の大山さん(Studio Kivi)が建物の基礎部分や、小屋裏など、シロアリや雨漏り、構造上の不具合の有無を入念に確認されました。
建設当時の図面もなかったため、現地で測量し、その図面をもとに、実測面積と登記簿面積の整合性を担保し、銀行でのローン審査をクリアしています。
完成したリノベーションは、既存の内観を思い出せないほど、素晴らしいデザインが施されていました。
既存の柱や梁を構造のみならずデザインとしてもうまく活かし、古いものと新しいものの調和により、印象的な空間が広がっていました。
さらに、クライアントのアトリエとして機能する奥の部屋へは、ガラス越しに壁の上部が連続することで、物理的には仕切られているものの、空間の連続感や奥行き感が演出されており、居心地のよいリビングとなっていました。一つ一つの素材にこだわり丁寧にリノベーションされており、周辺環境も含め、既存の状況を活かしたデザインとなっています。
築年数の古い建物をうまくデザインし、構造的にも補強していくことで、まだまだ利用できることを改めて感じさせる計画でした。
設計:Studio Kivi 大山純也 大山真司 https://studiokivi.com/
写真:朴の木写真室